その5:DELL PWS610 M/Bを攻略する

今回は、湘南通商で手に入れた、このマザーを攻略します。
形式は、PrecisionWorkStation610です。(略して”PWS610”とします)



まずは特殊電源を攻略する

今回もDELL特有の特殊電源コネクタです。今回は、前回(その2)とは違って24ピンのものです。
まずは前回と同様にATX電源延長ケーブルを使って変換ケーブルを作成することにします。
24ピン側はMOLEX社製の5557-24Rという形式のコネクタを使います。このコネクタは秋葉原でしたら
鈴喜デンキ(ラジオデパート2F)にて購入可能です。当HPでも有償配布しておりますのでご利用ください。
なお、延長ケーブルからのピンの抜き方などは前の記事をご参照ください。
まず、DELLのサイトからドキュメントをダウンロードしてきます。サービスマニュアルはPDF形式で4MBくらいです。
これに電源コネクタに関する仕様が載っていますので、それを元に変換コネクタのピンを作成していきます。
但し、このドキュメントに載っているものは間違いがありますので正しいものを<参考資料>に記します。


火入れ式

今回も被害を最小限に抑えるためにCPUとビデオカードのみを搭載して電源ONしてみます。
今回はCPUターミネータがないので、贅沢にもP2-Xeon450/512Kを2本搭載して電源を入れてみます。
PS-ON信号は電源コネクタからテスタで調べればすぐに分かりました。(4・6ピンです。)
電源ONするとモニタがONになるのでとりあえず何か動いているようです。今度はメモリも積んで電源ONしてみます。
正常に立ち上げ画面が出てきます。「やったー」と思っていたら、なにやら警告メッセージが...。
なになに、カバーが開いている、システムFANが無い、電源FANが見つからない。しかもその後、SystemHalt!。
こりゃダメだ。


警告を消す

まずはシステムFANが無いよ~の警告から、始めます。
これはCPU-FANから信号を取ればOKだと思いますので、変換ケーブルを作成することにします。
結線はテスタで電源コネクタとの間の導通を調べればすぐにわかります。<参考資料>
変換コネクタにCPU-FANを付けて電源ON、案の定システムFANに関する警告はなくなりました。
ですが、まだSystemHalt!になってBIOS設定まで進みません。
今度は、電源FANに関する警告を攻めてみます。
これは、DELL特有のTFSC信号が入力されていないのが原因なのはすでに明らかなので、
DELLの電源を改造してみるしかなさそうです。早速、DELLの電源を購入。(秋葉原の末広エイテックで購入可能)
例によって20ピンコネクタからピンを抜き取って、6ピンコネクタのケーブルもピンを付け替えます。先程の配線通りに差せばOKです。
そして電源ON、今度は電源FANに関する警告もなくなり無事にBIOSの設定画面まで進めることができました。
このM/BはTFSC信号が入力されないと起動出来ないようになっているようです。かなり曲者です。だましの手口を考えねば・・・。
ところが、今度はハードディスクの温度センサーが無いよ~などという警告が増えてしまいました。
これ以上はどうすることもできず、やむなくDELL専用掲示板のご厄介になることに...。協力してくれた皆様ありがとうございました。
ここで教えていただいたフロントパネルへの配線は<参考資料>に記載しておきます。(実際には一部違っていたのですが)
さて続きですが、次は、温度センサーをだまします。これは温度によって抵抗値が変化するものなので固定抵抗でごまかします。
ただ、3Pの温度センサーらしいので大丈夫かなとも思いましたが、無事にだまされてくれたようです。抵抗値はカット&トライの結果、
33KΩ程度が良いようです。(9・11ピン)
最後にケースオープンの警告です。さすがワークステーションのM/Bです、ケースを開けただけで次回の立ち上げ時に警告が出ます。
BIOSのセキュリティ内の最後の項目にある、ケースオープンに関する項目を「RESET」に設定すれば次回から警告はなくなります。
ケースオープンのSWは2・13ピンです。これはショートさせておきます。
これでなんの警告も無く立ち上るようになりました。


TFSC信号の攻略

オシロスコープで調べたところ、この信号はパルス信号のようですので、これに近い信号を注入してやればOKだと思い早速テスト回路を作成。
見事に動いてくれました。これならFANのパルスでもOKかも!と思いきやこれはNG。あとで聞いた話によるとFANのパルスOUT信号は
オープンコレクタ出力なのだそうです。それならということで、プルアップして再度チャレンジ、こんどはちゃんと認識してくれました。
ということで、この信号は、ある程度の周波数のパルス信号で代用可能ということみたいです。
現在、パルス発生回路を付けたもので動作させています。

上の回路が試作品、下が回路部を小型化させたもの


ケースをどうするか

このM/Bは背面パネルの形状が特殊なので通常のATXケースには入りません。ネジ穴も1箇所しかないですしね。
色々と遊んでみて、気に入れば、先程の末広エイテックにてPrecison410のベアボーンを購入するしかない思っております。

その後、ラッキーなことに秋葉原のジャンク屋にて、Precision用のディスクトップ型のケースを購入できました。
現在は、ちゃんとケースに納めて稼働しております。


<参考資料>

電源 DELL24ピン
PSON 13 +5V
GND 14 GND
GND 15 +5V
GND 16 GND
-5V 17 PWRGOOD
+5V 18 +5V SB
+5V 19 +12V
+5V 20 -12V
TFSC 21 GND
+5V 22 10 GND
+3.3V 23 11 +3.3V
GND 24 12 +3.3V
 
フロントパネル結線
(ピンなし) GND
SLEEP-LED(+) PS-ON
POWER-LED(+) PS-ON
LED-COMMON(-) HDD-LED(-)
温度センサー+V 10 HDD-LED(+)
温度センサーSEN 11 12 RESET-SW
CASE-SW 13 14 スピーカー(-)
スピーカー(+) 15 16 N.C

電源SW 4-6
ケースSW 2-13
リセットSW 2-12
SLEEP-LED 3-7
POWER-LED 5-7
HDD-LED 8-10
スピーカー 14-15
 
FANコネクタ
GND
+12V
SEN

LAST UPDATE : 2001.04.21