その21:FSP200-60SAVを修理する

AOPENのベアボーンやmATXケースに付属する専用電源ですが、こいつが2年もすると途端に具合が悪くなる。
シャットダウンで電源が落ちない、シャットダウンしたのに再起動する、電源が入らない、LANが繋がらない・・・などの症状がでる。
現在のロットは以前のものより長持ちするようだが、それでも3年もすれば不具合を起こすだろう。
ソケット370世代のFSP145-60SA(145W)でも同様の不具合が起こることを確認している。
電源を開けてみれば一目瞭然なのだが、目視で異常がない場合もこの修理で復活している。
不具合の原因は、スタンバイ系5Vのコンデンサ異常。写真でも液漏れしているのが確認できる。ウィークポイントのようだ。


 


修理作業

電源を分解して、コンデンサを交換すれば良いのだが、同じ規格で同じサイズのものがあまり存在しない(汗)。
今回は、日本ケミコンのLXZ 330uF/10V (6.3x15mm)を選択した。直径6.3mmなら長さは長くても問題ない。
105℃対応の低ESR品を選ぶのがよいだろう。
入手性から標準品の、KMG 330uF/10Vで修理したものもある。3年経っても問題が起こらないのでこちらでも大丈夫なのかもしれない。
4年目序盤で昇天。再修理となりました orz
逆に3年持てばよければ良い選択なのかも(^^;
分解時にインシュロックタイが邪魔をするのでカットする。また、ケースを開けるときに、ラベルの下に隠れているネジがあるので注意。
今回は、出力側の大きなコンデンサの異常は見られなかったので、交換は見送ったが、こいつらも液漏れしている場合がある。

 


電源投入

電源スイッチONで普通に立ち上がって、シャットダウンで電源が切れれば成功。
出力系のコンデンサを交換した場合は、少しの間は、負荷を掛けずに慣らし運転させるとよいだろう。

100Vがかかる部分があるので、感電しないように、十分注意して作業すること。

お約束ながら・・・
修理といえど改造行為にあたりますので、メーカー保証は受けられなくなります。
また、感電事故や機器の破損、火災などが起きてもすべて自己責任です。
筆者はいかなる損害も一切責任を負いません。


参考資料

FSP200-60
SB+5V 330uF/10V * 2
+3.3V 3300uF/10V * 2
(2700uF/6.3V * 2 に置き換え)
+5V 2200uF/10V * 2
+12V 2200uF/16V * 1
(1800uF/16V * 1 に置き換え)
-5V 47uF/16V
-12V 47uF/16V

 

FSP145-60
SB+5V 220uF/16V * 2 または、
220uF/16V + 330uF/10V
(330uF/10V * 2 に置き換え)
+3.3V 3300uF/10V * 1
(2700uF/6.3V * 1 に置き換え)
+5V 2200uF/10V * 2
+12V 1650uF/16V * 1
(1500uF/16V * 1 に置き換え)
-5V 47uF/16V
-12V 47uF/16V

 

FSP300-60SV
SB+5V 330uF/10V * 3
+3.3V 4700uF/10V * 2
(置き換え不能?)
+5V 2200uF/10V * 2
+12V 3300uF/16V * 1
(置き換え不能?)
-5V 47uF/16V
-12V 47uF/16V

国産品にないサイズを使用しているので、一部コンデンサは置き換えが必要。
高リプル電流対応品、長寿命品に交換すると良い。
元のものより、ある程度ESRの低いものを使用すれば、多少の容量の減少は問題ない。
ニチコンHV、日本ケミコンKZH、サン電子WAなどがおすすめ。


LAST UPDATE : 2012.10.11